2014年8月、ラオス中部にあるNam Theun 2ダムの建設に伴って移転した村を訪問し、移転後の生計回復状況に関する調査を行いました。移転村には16の村がありますが、村と村の間や世帯間で、同様の補償プログラムを受けているにも関わらず世帯収入や生活への満足度に格差が生じるメカニズムを明らかにすることが研究の目的です。 16の村を全て訪問して聞き取り調査をした結果、わずか数km離れただけでも村の雰囲気や生活の状況が異なり、それぞれの村に特徴があることがわかりました。一方で、そういった特徴が民族や生計手段、移転前の収入といった調査前に想定していた単純な理由だけでは説明がつかないこともわかりました。 結果だけでなく、過程においても、通訳を介したインタビューや調査結果をまとめることの難しさなどを実感することができ、学びの多い調査となりました。